2005年03月20日

バタービールに関する私的考察

 バタービール。「泡だった熱い飲み物」で「こんなにおいしいものはいままで飲んだことがない。体の心から隅々まで暖まる心地」になるんです。三本の箒では大ジョッキで飲むことができ、持ち帰る場合にはどうやらビンに詰めてくれるようですね。魔法の飲み物だから、ビンに詰めてもらって持って帰っても熱く泡だっていることは間違いないでしょう。バタービールはおそらく9割以上の読者にとって憧れの味ではないか思うのです。  この飲み物をマグルの材料で作ってみようと思った方はきっとわたしだけではないはず。
 さて、文字通りのものを単純に作ってみるとしましょう。
 用意するのはお好みのビールとバター。ビールをグラスに注いでバターを乗せてみます。どうですか?おいしそうですか?冷たいビールに浮かんだバター(角切り)。不味そうでしょう?バター食べながらビールを飲むなんてビール好きのお父さんもしないでしょう。まして子どもたちはやらない、したくない。それに第一バターとビールが別々になっている。これは「バタービール」ではなく「バターとビール」です。
 バターとビールが溶け合ってこそ、バタービール!
 肝心のバターとビールを溶け合わせた上で「こんなにおいしいものは飲んだことがない」味にしなくてはいけないんです。でも、待ってください、バターとビールって混ざると思いますか?バターは常温では固形、熱すると液体になります。だから温めて溶かさなくては飲み物にはなりません。ではビールはどうでしょう。ビールは冷たくないと「気が抜けて」しまいます。温めるとどんどん炭酸は抜けて泡立たなくなってしまいます。溶かした熱いバターと炭酸で泡立つ冷たいビールは普通に考えたら混ざりません。ああバタービール、なんとかならないのかしら?
 それでは、もう一度バタービールの基本に戻ってみることにしましょう。
 特徴として挙げられるのは、
1)泡立つ
2)熱い
3)体の心から隅々まで暖まる
4)こんなおいしいものは今まで飲んだことがない、と感じる
 これがバタービールです。
 やはり、熱い飲み物で体も心も温まる飲み物がバタービールなのでしょう。熱いことがバタービールの第一の条件だと思います。冷たいバタービールなんていうのは温かいビールと同じくらい邪道なのです。ビールは冷やしてバタービールは熱々で!
 マグルの知恵を持ってバタービールを作るには何を材料にしたらよいでしょう?ところが、肝心なことが本では書かれていません。味に関しての手がかりはないのです。甘いのか苦いのか辛いのか渋いのかすっぱいのか。大きな謎を含んでいます。この謎を解決する手がかりの一つと思われるのが「バタービール」という名前そのもの。この名前は味と外観を兼ね備えてつけられたものと考えられるのです。例えばジンジャエールという飲み物はジンジャ(生姜)の味のするエールの概観(炭酸飲料、でもビールではない)のもの。したがってバタービールとは味の特徴として「バター」ビールというのは単に見た目の問題なのかもしれません。しかし温かいビールなんてありえないと思い込んでいたらびっくり! 温めて飲むビールそのものが現実に存在していました。
【ホットビールが存在する!】
 寒い冬にぴったり!という温めて飲むビールが存在していました。ベルギー産のものでチェリー風味。お菓子的な味がするようです。リーフマンス醸造所のリーフマンス・ランビック・グリュークリークというビールで250ml入り。飲み頃温度は40〜50度だそう。ホットミルクよりも少々温度低めですね。アルコールは6.5度。もしかして、これはバタービールに近いものかもしれません。バターの味だったらバタービールになっていたに違いないと思わせるベルギービールにはフレーバービールが多く存在し、チョコレートビールやストロベリービール、紅茶ビールなんていうものも存在します。

 しかし、本物のアルコールが入ったお酒では13歳魔法使いがジョッキで飲んではいけません。アルコールはほんの少々。香り付け程度に入っているように想像しています。ついでながらウィンキー並みにアルコールが弱いわたしでもおいしく飲めるものがいいな、と個人的に思います。そこでバターの入った飲み物やホットドリンクを調べてみましょう。
【バターの入った飲み物&ホットドリンク】
 バターと飲み物という発想からまず浮かぶのはホット・バタード・ラム。角砂糖、ラム、熱湯、バターの順に入れる飲料。風邪を引いた時に飲まれるとのこと。この熱湯をミルクに変えるとホット・バタード・ラム・カウになるそうです。このバターは無塩バターです。コーヒーやココア、更には紅茶にバターを入れて飲む、というのも意外に合うようです。バター・スカッチコーヒーはネスレで紹介されていますが、いつものカフェオレにバターとラムを加えた飲み物。有塩バターのほうがおいしいらしいですね。コーヒーにクリームを入れることを考えればクリームからできるバターもコーヒーなどに合うのでしょう。そして温めて飲む飲み物のベースとなるものを他に探ると、ミルク、レモン、意外なところではオレンジジュースやりんごジュースがあります。また、ワインも温めて飲むことがあり、この場合にはレモンや砂糖を加え、クローブ、シナモンなどのスパイスで香りをつけて飲みます。

 カクテルのレシピを覗くと、見たこともない取り合わせが出てきます。冷たいノンアルコールカクテルの中でみつけた「ラバーズ・ドリーム(Lover's Dream)」。これはジンジャーエールにレモンジュース、卵とシロップを混ぜたもの。どんな味がするんでしょう? 体が温まるといえばホットエッグノッグ。卵、砂糖、牛乳、クリーム、ラム酒を混ぜたもの。いろいろな作り方があります。ミルクセーキにラム酒を入れたような飲み物です。これはハグリッドが飲んでいたものですね。クリームというのがバターに近い感じがしています。炭酸を温めて飲むといえばホットコーラという飲み方があるそうです。主に香港で風邪に効くとして飲まれているとか。なんとも不思議な飲み物がいろいろあることに驚きました。

 ドリンクのあれこれを探り、憧れのバタービールへの挑戦はまだまだ続きます。これらの研究結果を生かしつつわたしのバタービールを作ってみようと思案中。バター味の温かいシュワシュワドリンクは果たして作れるか? 次回実践編をお楽しみに!

参考サイト:
Cocktail Catalog GENUINE
- カクテルカタログジェニュイン -

ウィキペディア
ホットビールについて
チョコレートビールについて
エッグノックについてはこちら
ホットコーラについてはこちら
ネスレ


※この記事は2004/4/28に書いたものです。


追記:メルマガ14号(2004/8/5)で載せた文を追加します

 暑い夏の飲み物はかぼちゃジュースという気がしますが、バタービールについてあれこれとまだ考えをめぐらせています。
まなさんから3巻のふくろう通信に「見かけはビールだが、甘い飲み物」と載っていますとメールを頂いて、改めて3巻を読み直してみました。本文には「甘い」とは書いてないんですよね。

〜〜〜バタービールに関する記述〜〜〜
P206
「泡だった温かいバタービールをマグカップでひっかけ」
P260
「ロンが大ジョッキ三本を抱えてやってきた。泡だった熱いバタービールだ」
「こんなおいしいものはいままで飲んだことがない。体の芯から隅々まで暖まる心地だった。」
P320
「ルーピンはカバンからビンを二本取り出した。
『バタービールだ』」
P343
「両手いっぱいにバタービールの瓶やら、かぼちゃフィズ(以下略)」
というのが3巻で出てくる場面です。

4巻(下)
P8
「大瓶入りのかぼちゃジュースやバタービールが」
P273
「ウィンキーは前に見たときと同じ丸椅子に座っていたが、(中略)
バタービールの瓶を握り、暖炉の日を見つめて、微かに(後略)」
P273〜274
「『ウィンキーはこのごろ一日六本も飲みます』ドビーがハリーに囁いた。
『でも、そんなに強くないよ、あれは』」
『屋敷妖精には強すぎるのでございます』
P275
「シミだらけになってしまったブラウスに、バタービールをポトポトこぼした。」


Bon Appetit というマガジンのインタビューで作者は"less-sickly butterscotch"のような味、と話していたそうです。(A)
こちらはバタースカッチの味に似ているけれども、バタースカッチほどしつこくはないという意味のようです。
("less-sickly butterscotch"の意味については、フラミンゴビーチのみちえさんに参考意見を求めました)

ということはやはり甘いのではないかと思いますが、成分としてビールは入っていなくてもよいように思うわたしです。ビールに似ている概観でバタースカッチの味のホットドリンクと聞けばおいしそうに思いますが、この真夏では飲みたい欲求が薄れそうです(笑)


参考:
(A)Harry Potter Lexicon内、drinkのページより
http://www.hp-lexicon.org/wizworld/food.html#drinks




posted by kmy at 09:28| Comment(10) | TrackBack(0) | 料理・お菓子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
魔法世界の飲み物なんだし、現実に有り得ない味であってくれた方がいいんじゃないかな?
暖かいけど冷たいビールみたいな泡が立っててバター味であったまってこの世の物と思えないほど美味しい。それでいいんでないかな?
マグルに味わえちゃったらつまんないです。
Posted by 奈々 at 2005年05月26日 21:55
奈々さん
想像の味を実際に作れるとは思ってはいませんが、味を想像し「もし実際に作れたら(マグル風であることは否定しません)」という楽しみとしてお読みいただけると幸いです。
Posted by kmy at 2005年05月27日 18:35
ここに書くのは初めてになります^^
早速考えてみました。
人間的に考えると
泡立つ=炭酸
ですよね。

体の心から隅々まで暖まる
というのは、もしやアルコール度が高いからでは?つまり、マグル世界にある「ウォッカ」みたいな感じなのかと思いました。

こんなおいしいものは今まで飲んだことがない
というのは、13歳の少年達はマグル世界では酒は飲めない。
しかし、魔法世界ではアルコール度を薄めて、なおかつ、ウォッカのような感覚を保つことが出来るんじゃないかなと思いました。

まとめると
【マグル世界】未成年の飲酒は禁止。冷たくても体が火照る感覚がする「ウォッカ」がある。

【魔法世界】何らかの魔法を施し、アルコール分を失くせる。なおかつ、ウォッカの感覚は残せる。

という考えはおかしいでしょうか?
「魔法」っていう便利なものがある世界で不可能な味なんかあるのでしょうか?
例えば「百味ビーンズ」なんかマグルには作れないでしょう?
魔法書が図書室に何万冊もあるのだから、そんな感じの呪文も存在するのでは?

って、なんか変なコメントですいません。
作者が考えたものなんですから、こんなに書いても意味ないですよね^^;

長文すいません。
Posted by ゲヌト at 2005年08月06日 18:33
体が温まるという視点からのお話、面白いですね。マグル界でにノンアルコールビールは存在しますが、ノンアルコールウォッカはきっと現実的には存在し得ないでしょう。だからこそ、魔法で実現可能という考えは楽しいと思います。
単純に魔法的な炭酸をイメージしていましたが、体が温まるような効果を持つアルコールという視点も視野に入れていたかもしれませんね。こちらはあまり考えていなかったので、単なるノンアルコールよりも気になる飲み物になります。心地よく酔った気分も味わえる?としたらいいですよね。わたしもお酒があまり飲めないので。
この物語に登場する様々な魔法世界の物、呪文、効果、場所などは読者それぞれの想像に委ねている部分も大きいからこそ魅力ある物語に仕上がっていると思います。作者がある程度までは考えていても、「その先」まで考えるというのは楽しいと思います。
ゲヌトさん、コメントありがとうございました!
Posted by kmy at 2005年08月07日 16:43
お役に立てたら幸いです^^
まぁ、魔法界の食べ物って気になりますよね^^
僕は百味ビーンズを作ってみたいです。
でも・・・。材料って何?って話でw

これからも考えてみますのでヨロシクお願いします^^
Posted by ゲヌト at 2005年08月08日 13:13
確かに、ビーンズって家庭で作れるものではないですよね。材料は何でしょう?
砂糖のほか、何が入っているのでしょう。フレーバーとして何を使うといいでしょうか、まさか、本物の耳くそ味はちょっと……。

杖型にアメを作ってみたことはあります(笑)
アメを柔らかくして伸ばして棒状にして。実際に杖型のあめというのも、大きなぺろぺろキャンディと同様に食べにくそうです。
またお話聞かせてくださいね。
Posted by kmy at 2005年08月09日 08:53
美味しそうな話題なので、コメントさせてください。
私はごくごく単純に・・・、バタースカッチ味の暖かい飲み物で、シェイクしてあるが故に、
もこもこ泡が立って見える、と言う飲み物なのではないかと想像していました。
バタースカッチというのは、日本では『チェルシー』という名まえの飴がありますよね。あれが飲み物で暖かかったら、子供も美味しく飲めるし、いかにもイギリス風かと・・・。

ハリーポッターの世界に出てくる食べ物は、イギリスで普通に食べられているものが多いようだし、それをアレンジしたり思い起こさせたりするような遊びをローリングさんは楽しんで入るような気がするのです。
Posted by ティーコゼー at 2005年08月10日 20:12
ティーコゼーさん、はじめまして!
シェイクした泡の飲み物でバタースカッチ味という想像、おいしそうですね。
実際に作者が想像しているのもバタースカッチ味だそうで、きっとイギリスの子どもたちにとっては馴染み深い味、ほっとする味なのだろうと思います。
ティーコゼーさんのお話にあるように、「イギリスの普通の食べ物」を魔法風(つまり遊び)にアレンジしてあるというのには同感です。
バタービール(Butter Bear)の韻も面白いですね。
ティーコゼーさんのコメントを読んでいたら、飲みたくなってしまいました。
コメント、ありがとうございました。

バタースカッチで思い出して、以前にメルマガに載せた文章をこちらの記事に追加しました。
Posted by kmy at 2005年08月11日 09:34
バタービールのレシピを探していて偶然来てしまった者です。古いページなので今後何方が御覧になるか判りませんが・・・ワタシの様にバタービールのレシピを探してらっしゃるヒトの為に、ちょっと一言。
 バタービールは、ROOT BEER(ルートビア)で作ります。
 ルートビアを御存知無い方の為に・・・ルートビアーとはハーブ系の材料を使ったコーラ風の炭酸飲料で、当然アルコールは入っていません。
 コイツ、コーラより歴史があり、英語圏ではコーラ並みに一般的です。カフェインが入っていない分コーラより御子様向けと言えるかもしれません。(例えば・・・スティーブン・キングの小説『アトランティスのこころ』では、小学生がルートビアをガブ飲みするシーンが出てきます。)
 ルートビアはコーラ同様缶入りで販売されており、輸入食料品店でフツーに購入出来ます。ワタシのお勧めはDAD'sの『白カン』『青カン』ですが、メーカ毎に味が微妙に違うので、色々試されるのもヨイでしょう。
Posted by DAD'sがサイコー! at 2009年12月15日 21:41
DAD'sがサイコー!さん
古い記事ですが、コメントありがとうございます。
バタービールという想像の飲み物について、いろいろ当時は考えていましたが、これだ!という味にはなかなかなりませんでした。
熱い炭酸というイメージですが、それが不可能というか、難しいというか。
ルートビアを使うというのは聞いたことがありますが、試したことがありません。
ルートビアを近くで入手できなそうなのですが、機会があれば飲んでみたいと思います。そしてバタービールにしてみるのもいいかもしれませんね。
コメントありがとうございました!
Posted by kmy at 2009年12月20日 22:03
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