2005年04月04日

ロックケーキはいかが?――ハグリッドのお手製料理――

物語には数々の美味しそうなお料理、不思議で気になる魔法のお菓子などが登場しますが、ハグリッドのお料理だけは疑問符がつくようで、評判はよろしくありません。
1巻:ロックケーキ 歯が折れるくらい固かった (P208)
  :イタチサンドイッチ(P338)
2巻:糖蜜ヌガー (上顎と下顎をセメントのようにがっちり接着した)(P170)
  :糖蜜ヌガー (クリスマスプレゼント。柔らかくして食べる予定)(P315)
  :分厚いフルーツケーキ(P385)
3巻:干しぶどう入りバーズ風菓子パン(食べるのは遠慮した)(P354)
4巻:ロックケーキ(夏休みの差し入れ。ハリーは手をつけなかった)(上P44)
  :ハグリッドいわくビーフシチュー(ハーマイオニーが中から大きな鉤爪を発見)(上P410)
  :生焼けのビスケット (下P549)
5巻:タンポポジュース (下P672)


 ざっと調べたところ、こんな感じです。甘いとか、塩辛いとか、そういうことは言及されていません。ハグリッドの料理の評判の悪さその一は「歯ごたえ」です。屈強な体の持ち主であるハグリッドはマグルよりも固いものが好みでアレンジしているか、作るときに単に力をかけすぎてしまっているか、どちらかでしょう。
 ロックケーキとはクッキーの一種で、レーズンなどを加えて仕上げた生地をスプーンで落として焼いたもので、ごつごつした仕上がりが岩のように見えるところからロック(岩)ケーキと言われるとか。本当はちっとも固くないんです。しかし、ハグリッドの手にかかると、さっくりクッキーが本物の石のような固さになってしまうよう。ヌガーは柔らかい触感のキャンディですが、こちらも強力な粘りを持たせてハグリッド風にアレンジ。自作のお菓子をプクリスマスレゼントにもしているところから考えると、ハグリッド本人には自慢の一品に違いありません。しかしながら、ロックケーキや糖蜜ヌガーで懲りてしまったハリーたちは、バース風菓子パンには手を出しませんでした。こちらもふっくらとは程遠い、がちがちパンだったのでしょうか。力があるのでしっかりこね上げて作ったパンはもしかしてふっくら仕上がるような気がするんですが。発酵をきちんと行なえば膨らむはず……。(余談ですがわたしはパン作りが趣味なので、どんなパンができたのか非常に気になります)
 ハリーたちが敬遠する理由その2は「材料に難あり」というところでしょう。イタチの肉ってどんな味? こちら野生の獣肉ということを考えると固いのか、そとも臭みが気になるところか。さらにビーフではないビーフシチュー。これ、恐ろしいですよね。何の鉤爪なのでしょう? これだけは食べたくありません。また野趣あふれる風味?のタンポポジュース。タンポポ茶やタンポポコーヒーなどを作ってマグルも飲用するというお話は聞いたことがあります。ジュースというところで、たんぽぽを絞って出たエキスに甘味を加えたものかもしれません。そのときのハリーの気持ちは不安定で味はわからなかったと思います。(読んだことはありませんが、レイ・ブラッドベリの本で『たんぽぽのお酒』というものがあるそうで、たんぽぽをホワイトリカーにつけたたんぽぽ酒も実在するとか。)
 ハグリッドがお料理をすることを考えてみると、退学になり森番になったことも関係あるのかな、と思ってしまいます。ホグワーツを退学になった後も敷地内に住んでいたわけですが、元同級生らと大広間で食事をとるのはちょっと気まずかったのではないでしょうか。10代という当時の年齢を考えてみても、そんな気がします。森番の小屋で自活して培われたお料理がイタチサンドイッチや謎のシチューのような気がしてしまいます。
 ハリーたちに不評なハグリッドお手製のお料理・お菓子ですが、現在は一種の楽しみ、趣味として行なわれている感じを受け取ります。自分の小屋に訪ねてくる友人をもてなしたいという、ハグリッド流の気遣いがあのロックケーキなのかも。もし機会があれば、ぜひイタチサンドイッチに挑戦してみたいです。
posted by kmy at 16:53| Comment(7) | TrackBack(0) | 料理・お菓子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです、こんにちは。
面白い考察で楽しかったです。
そして、気が付いたことがあります。
ロックケーキ・・・それは私の得意なクッキーでした。いままで知らないで作っていましたよ^^
イタチをサンドしてしまうなんて、ものすごい発想の転換ですよね〜。

kmyさんの考えることって凄いな〜と思いました。なるほど、森番に押しやられて、大広間に出て行くのが嫌だったかもしれませんよね。
だからこそ様々な創作料理ができたんでしょうね。

それではお邪魔しました。
Posted by ミドル at 2005年04月15日 19:04
ミドルさん、こんにちは。ハグリッドのお料理といい、手芸といい、やってみたら意外に楽しかったので今に至る、というような気がしています。(ハグリッドは自己流なので、自分でいいと思った方法と味付けで作ってしまって、周りはびっくり!という感じがします)得意なクッキーがロックケーキだった、というお話は楽しい気分をいただきました♪ 本のイメージが強くて、岩を食べているような固さになると思っている方もおられるようです。
月刊児童文学翻訳1999年6月号情報編
http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/1999/06a.htm#a1okashi
にもレシピが載っていますが、香辛料のきついものは苦手です、わたし。コメントありがとうございました!
Posted by kmy at 2005年04月16日 19:51
こっちは、初めましてですね。
フレッドです。
ハグリットの出す料理は、
どれもこれも、驚くものばかりで、
想像力に長けているなと思う事がしばしば。
JKローリング氏は相当想像力に長けているんだな
なんて。今ごろですね。色んな登場人物を
書いてる時点で気づくはずですね。
上の一覧で一番ましなのは「分厚いフルーツケーキ」
ですかね??それだけは、食べても安心できるような
きがします。以上説得力の無い13歳の悪あがきでした。
Posted by フレッド at 2005年05月13日 21:14
僕もこちらには始めましてです。フレッドさん確かに分厚いフルーツケーキは平気そうですねでもハグリットの事だから、ゼラチンをたっぷり入れてキャラメルよりも噛みごたえのあるケーキになってるかも。
12歳の想像力ではこれぐらいです。
Posted by ビル at 2005年05月22日 18:59
フレッドさん、いくつも記事を読んでくださった上にコメントいただいていたのに、お返事が今頃になってしまっていて、本当に申し訳ないです。三本の箒でお会いしたらバタービールをおごらせていただきたいくらい。
イギリスのフルーツケーキって、ものすごく日持ちがよいと読んだことがあります。ハグリッドもたくさん焼いて保存しているのかもしれないですよね。ハグリッドの家庭的な雰囲気、けっこうお気に入りです。こんどは何作っているかなって。

ビルさん、こちらの記事へもコメントありがとうございます。ゼラチンを入れた噛みごたえのあるケーキ! グミキャンディを想像してしまいました。そういう面白いケーキを作っているかもしれませんね。
Posted by kmy at 2005年05月22日 20:35
kmyさんこちらへの返事ありがとうございます。
焼いて保存するそして長持ちするということは1巻のノルウェー・リッジバックの卵を孵す時に節約として一緒に焼いていたかもしれませんね。そういうケーキもハグリッドなら作れるかもしれませんね。
Posted by ビル at 2005年05月23日 22:29
ケーキを焼くふりして卵を孵す、面白いです。
ハグリッドのお料理は自然の素材を用いて、独自にアレンジしているところは結構お気に入り。
でも、いくらおなかがすいていても食べないロックケーキは相当にマズイ(失礼!)なんでしょうか(笑)
Posted by kmy at 2005年05月24日 15:22
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