2007年04月29日

狼人間、ビル、ルーピン

 さてさて、気になるのは狼人間についてです。ビルは6巻ラストで狼人間フェンリール・グレイバックによってひどい傷を負いました。
「(略)ところが、連中は通常の社会を避け、周辺で生きてきた。盗んだり――ときには殺したり――食っていくためにね」
6巻下p20

 6巻で狼人間の社会、もっとも凶悪な狼人間グレイバックのやり方などが明らかになりましたが、ビルの場合だけは特殊な例となってしまったようです。満月ではなく、変身していなかったグレイバックに噛まれたため、完全な狼人間にはならなかったのです。しかし「狼的な特徴を持つ(6巻下P447)」とルーピンがいうように、ハンサムだった顔はひどく切り裂かれて不気味になり、ムーディに似ているらしく、ステーキのレアを好むようになったといいます。

 ここで気になったのは、完全な狼人間であるルーピンは見た目についてはなんら普通の人間と変わりはないのに、ビルは不気味な顔になってしまった、ということです。これは、満月で変身しているときに噛まれたとしたら、おそらくその場で狼に変身するのではないかと思われます。その際に、人間の皮膚を破るような形で狼の姿へ変わるのかもしれません。そして、また満月ではなくなった場合、無害な人間に戻るという可逆的な変化に耐える体になるのではないかと思います。しかし、ビルの場合は変身していない狼人間に噛まれたので、こうした可逆性の変化が途中で止まった形で固まったのではないかと感じられました。そのため、顔つきがひどくなり、人間を欲する満月の状態の手前でレアステーキが好きになったのかもしれません。
 完全な狼人間になってしまったとしたら、ルーピンのように満月以外は本来の姿でいられたのかもしれません。満月のときには苦痛を味わうことになりますが、その月に一日以外はもとのハンサムなビルだったのかも。今後のビルは満月に何らかの変化が出るのかどうなのかは不明ですが、とにかく顔が戻るということはないようです。うーむ、どっちがいいのかどうか、よくわかりません。世間的には完全な狼人間(見た目普通)と不完全な狼人間(見た目怖い)への偏見は変わらないのかもしれません。こういう問題について読者自身にも問題を提起しているようにも感じられます。

 生まれつきの狼人間という場合はないのでしょうか? ルーピンはトンクスに応えることを心配していましたが、もし狼人間と普通の人間の間に子どもが生まれたとしたら、その子は狼人間になってしまうのか、遺伝的な確率などで半々のような形になるのか? そのあたりも疑問です。また、ビルの場合は特殊ですからさらに気になります。
 グレイバックのような狼人間がいることで、偏見が生まれますが、最終巻で魔法界もよりよい社会になっていることを願いたいものです。
この記事へのコメント
こんばんは。
私はビルの顔が噛まれたのだと思っていました。それで顔がひどくなったのだと。
顔以外の場所を噛まれたのなら、ルーピンのように見た目は普通ということになったのではないでしょうか?
Posted by 果穂 at 2007年04月30日 00:20
果穂さん
何か、特殊な状況なのではないか?と思ってかなり想像を広げてしまいました。
狼人間に噛まれた傷は治らないとマダム・ポンフリーが言っていましたが、狼人間になってしまった場合は傷は残らないのか、実はルーピンにもどこか見えないところにひどい傷跡があるのか、気になるところです。
普段は「食い破る喉が待っている(下P419)」と言うように、喉なのでしょうか。このシリーズの狼人間についてはまだいろいろとわからないことがあります。
コメントありがとうございました♪ 
Posted by kmy at 2007年04月30日 13:08
>こういう問題について読者自身にも問題を提起しているようにも感じられます。


確かにハリー・ポッターはただ単に面白い読み物ってだけじゃなく、ファッジの権力への固執とか、巨人や狼人間への偏見などなど、現実の社会にある問題が書かれていると思います。
そういうところもハリー・ポッターが魅力的な理由のひとつですね。
Posted by あゆかと at 2007年04月30日 18:00
あゆかとさん、コメントありがとうございます。
ハリーの世界には現実問題とリンクするようなものが魔法界に置き換えられて描かれているとわたしも感じます。
だからこそ、より実感して、自分に引き寄せて考え、感じる物語なのだろうな、と思います。
こうしたものは最終巻でも未解決かもしれませんね、現実社会と同様に。
Posted by kmy at 2007年05月01日 18:40
kmyさんの記事を読んで思い出したのが、「lupus」の名が入った疾患名でした。
皮膚の症状が狼の噛み傷に似ているらしいのです。今時はほとんどの人が、その噛み傷をイメージできないと思いますが、そんな命名をした当時の『狼の噛み跡』に思いを馳せました。
ご報告が遅れましたが、そのことに触れた記事を書きましたので、トラックバックさせていただきました。

ところで、ビルがレアのステーキを好むなら、ルーピンはステーキですらない生肉に惹かれそうだと思いました。
人狼でない状態のグレイバックに噛まれたビルの中途半端な狼的特徴、気になります。
Posted by 二尋 at 2007年05月06日 15:05
二尋さん、ありがとうございます♪
5巻の聖マンゴにも狼に噛まれた方が入院していましたが、顔はなんともなかった(青ざめていただけ)なので、顔の傷は噛まれたからなのでしょうね。(フラーも噛み傷と言っているし)
狼人間になっても、具体的に症状が出るのは満月のときだけのように感じられるのですが、ビルの場合は慢性的に「狼的症状」が出ていますよね。気になります。
Posted by kmy at 2007年05月07日 20:36
こんばんは!
毎回こっそり拝見させていただいておりました。

勘がほとんどになってしまいますが
書かせていただきます。

たぶん噛まれたのが
    満月の日→傷跡は残り、満月の夜に完全な狼人間化

 上記でないとき→傷跡は残り満月でないときも、少し狼人間化

すると思いました。
つまりビルは狼人間になりそこなったのだと
思いました。(個人的にはありがたいですが…)
  
Posted by 白猫 at 2007年05月12日 00:22
白猫さん、コメントありがとうございます♪
お読みいただいていたそうで、こちらこそ光栄です!
満月の夜というのも重要な要素のようですよね。
ルーピンも満月の夜以外は特別なことは何もないように感じられます(脱狼薬は続けて飲まねばならないようですけど)
狼人間化ということで、満月以外でも症状が出るというのは、よかったのかどうなのか、微妙に難しいです。狼人間についてはまだまだ考えてみたいです。
Posted by kmy at 2007年05月12日 15:33
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噛み跡
Excerpt: 昨日は再び東京に行ったので、リベンジしようと、もう一度日比谷公園に行きました。もちろん、狼像を見つけるつもりで。 目的物を探すとなると、案内なしではとても難しく、園内も前日よりずっと広く感じられまし..
Weblog: 水深3.6メートル
Tracked: 2007-05-05 22:05
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