2005年11月20日

4巻再読:三校対校試合のカンニング

 4巻のメインイベント、三校対校試合は夥(おびただ)しい死者が出たとかで、長年行なわれていなかったということです。その理由はカンニングしなかったら死んじゃった、ということのように思えてしまいます。


 三校対校試合の第一の課題はドラゴンでした。しかし、代表選手全員、「ドラゴンを出し抜くこと」が課題であると知っていたのです。課題の情報は各学校の引率教員(校長)が実際に自分自身で確認しているようです。課題を出題する機関(ここではイギリス魔法省)のみが知りうる事実として建前上は運営されているように思います。しかし、ハグリッドは偽ムーディにそそのかされてハリーに知らせてしまいますし、マダム・マクシームにも知らせてしまいます。「あの人が見たいだろうって思っただけだ」(4巻上P505)と言っていることから、マダム・マクシームは当初、ハグリッドに近づいたのは、試合の課題を調べるためでもあったのかもしれません。当然のことながらカルカロフはこっそりと嗅ぎまわっています。さらには当日バグマンが賭けのためではありますが、ハリーに対して援助を申し出ています。
 「選手は、競技の課題を完遂するにあたり、どのような形であれ、先生方からの援助を頼むことも、受けることも許されない。選手は、杖だけを武器として、最初の課題に立ち向かう。第一の課題が終了の後、第二の課題についての情報が与えられる。試合は過酷で、また時間のかかるものであるため、選手たちは期末テストを免除される」(4巻上P434)

「カンニングは三校対校試合の伝統で、昔からあった」(4巻上P529)

 この三校対校試合の理念は第一の課題からしてまったく守られていません。炎のゴブレットで選出された場合の選手は魔法契約の拘束力で必ず試合を完遂しなくてはならないというのに、この理念に関しては全く守らなくてもOKというのは不思議です。そもそも、偽ムーディの言うように「カンニングの伝統」があったというのも本当ならば(本当なのだと思いますが)、この伝統は「暗黙の了解」として機能していることも運営側では十分承知だったのかもしれません。そうでなければ「選手は援助を頼むことも受けることも許されない」という理念にも何らかの魔法が効いているはずだと感じます。
 カンニング、代表選手への援助は実は試合を完遂するための大事な一部となっていたのかもしれません。事前にドラゴンのことを知らずにドラゴンを急に目の前にして対処できる魔法使いはどのくらいいるのでしょう? 本来、何が起こるかわからないのに、「何か」に対処するために準備するというのは全く持って無意味のような気がします。だから、この第一の課題は伝統的にカンニングすることになっていたように思えてしまいます。ということで、カンニングせずに臨んだ選手が死んでしまったのかも、と思うのです。
 表現上は「夥(おびただ)しい」死者ですから、一人、二人ではないですよね。代表選手になることは誰かが亡くなることが周知のことだったのかもしれませんが、昔のことなので、死者が出ることは当たり前として行なわれていたのかもしれませんが、ひょっとして巻き添えで死んだ人が多数出た試合を持って試合そのものの中止に至ったのかもしれません。「『何世紀にもわたって、この試合を再開しようと幾度も試みられた』」(4巻上P291)らしいですが、結局今回をもって三校対校試合は永久に消滅してしまったのではないでしょうか。カンニングの伝統と共に。

 ところで、もしこの試合が成功して次回開催ということになった場合、今度は別の場所での試合になりますよね。例えばダームストラングに出向いたホグワーツ代表選手は本当に課題をクリアできるのでしょうか。引率したのがダンブルドアだったら、課題についてのヒントを与えたりするのでしょうか? 今回は偽ムーディがそのカンニング示唆役を引き受けましたが(これはヴォルデモートの支持もありますが)、もしかしたらこうした示唆役のためにダンブルドアは呼び寄せたということもあるかもしれない、などとも思ってしまいました。偽ムーディの性格は本当に本物のムーディと似通っていたようですから。
posted by kmy at 16:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 物語世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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